通常の歯科診療の方法では対応できない方へ配慮しながら等しく歯科医療を提供することです。障害や疾患は様々ですが、加えて性格や個性もそれぞれです。患者様個人やご家族と向き合いながら最善の方法で診察、治療、管理を行っていきます。長くお付き合いできれば、と思います。
- 知的障害や発達障害がある方には、場所や人に慣れることから始めていきます。診察までに時間がかかることもありますが、怖くないことを理解してもらいながら進めます。
- 自閉スペクトラム症の方などには、絵カードや動画などを用いて繰り返しトレーニングをしていき、定期的な歯科受診を習慣化していきます。こちらも長期戦になりますが、少しずつできることが増えていきます。
- 脳性麻痺などで治療中の口を開けたり、じっとしていることが難しい方には姿勢や座る角度などを工夫し、リラックスして診療が受けられるようにします。体の安定が困難ですので複数人のスタッフで対応し、転倒など安全面に配慮します。
- 診療拒否などのために治療に協力が得られない方、重度嘔吐反射や歯科治療恐怖症の方には、トレーニングも実施しますが、笑気麻酔で恐怖心を和らげながらリラックスした状態で治療をします。
- 障害や疾患で飲み込みや食べ方に不安のある方には、哺乳指導、食べ方の指導、介助方法、食事の形態や姿勢への指導や助言を行います。
- 医療的ケアを受けている方や歩行困難などがあり通院が困難な方には、ご自宅や施設へうかがい、訪問歯科診療を行います。
障害や疾患は成長と共に変化します。その年齢や体の大きさなどに合わせて対応していきます。お口の中のことだけではなく、成長や経過をご家族と共に共有できたらと思っています。